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2013年7月。小倉からフェリーに乗って「海女」がいるという島へ向かいました。経由する馬島を出ると、右手にもうひとつの島が見えてきます。この藍島(あいのしま)は、小倉北区の北西の「響灘」に位置した、北西から南東に細長く、標高が25メートル、周囲2キロの平たく小さな島です。フェリーが到着するやいなや、島の西海岸の南側の渡船発着所から、海女のいるであろう海岸を探しに出かけました。 「海女の桶が見えた!」02M-DSC_2582
その先を、船が走っていきます。透き通った海中を覗きこむと「どんな海なんだろうか?」と飛び込みたくなります。が、「もうお昼前だから、すぐに上がってくるだろうから……」と、そこはグッと我慢。03M-DSC_2655
浜に海女桶がどんどん近づいてくると、近くで待っていたお父さんが海辺にリアカーを移動しました。04M-DSC_2673
「海女さんやってた人、引退しとるけん。」女性の海女は4人だけ、他の3人は船で海に出るそうです。05M-DSC_6902
船着場へ行くと漁から戻る船を待つ子どもたち。06M-DSC_2776
「うちのお父さん、海女だよ」ここの海女は「男」がほとんどのようです。07M-DSC_7042
「さわさん、受け取りに来てます〜」放送が流れると、次々を島物を運んでくる漁師たち。その中に女性が3人。アワビ、サザエが沢山入っている。「海女さんだ!」08M-DSC_7189
明日の約束をして、宿へ向かう途中、わーわーなにやら、大騒ぎ。子どもたちが、海に飛び込んで遊んでいる!誰も注意する人は居ない。側に、それをニコニコと見守るおばあちゃんが一人。子どもたちは、繰り返し繰り返し、いろんなポーズをつけては飛び込んでいく。別の子どもたちがあらあわれては、今海から捕ってきたという「貝」を見せてくれた。彼らは、日が落ちるまで港の海で遊んでいた。09M-DSC_6967
「あはははは〜」そういえば、この島からは、しかり声が全く聞こえない。10M-DSC_2540
細い路地を。11M-DSC_3143
「対馬から、昭和32年に来た時は、お米や田んぼ、あった(やってるひとがいた)けれど、今は、食べる分だけ。草まみれで’畑も)あいちょる。」今は漁業が中心の島ということだ。12M-P1190199
この宿の名物じいちゃん。じいちゃんの周りを孫達が走り回り大騒ぎしていても、外国製のアコーデオンにハーモニカを口にくわえマーペースで演奏。電飾の傘や鈴付きの下駄など、爺ちゃんお手製の様々なアイテムも見せてくれた一人オーケストラだ!13M-DSC_3164
さて、朝は早起きしてお散歩。あっちこっちに猫、ネコ、ねこ!14M-DSC_7057
「にゃ〜」15M-DSC_7712
漁網をたぐっているおじさんの船にジャンプ!シッシ〜ッなんてことはしない。「ほれっ。ここにはネコがいつもおってな、こげな小さな魚はくれてやるんじゃがな」16M-DSC_7706
「ならば僕も」と数回のジャンプを試みたが、やっぱり怖いのか。諦めてふてくされていた(?)ネコちゃん。17M-DSC_3197
約束の時間に漁港へ行くと、さっそく海女さん登場!18M-DSC_3205
船頭さんを待って、出港!19M-DSC_7959
船頭さんは、女。彼女も潜る「海女さん」です!20M-DSC_7819
「ささぐりさん参り(福岡県)」でもらってきたという手ぬぐいをまず頭に被る。手ぬぐいには、魔除けの「般若心経」が印刷されている。21M-DSC_7810
「私は、下の子が保育所行ってから(海女を)始めた。だから、アワビなんか、ようとりきれん。(あの人について行きなさい)」22M-DSC_7948
手ぬぐいの上からフードを被り、マスクを付けて、潜水準備完了!23M-DSC_7848
さぁ、海へ! もっと沖合を男海女を載せた船が行き来している。今日はシケていて漁場選びに困難しているようだ。男性の方が、素潜りでも深く潜れるという。一部「機械潜り」を許されている場所もあるという。街に働きに行っても嫌だから、島に戻ってきた若者が多い、と。「結局経費がかからんね。昔は潜る人、おらんかった。」24M-DSC_0674
「もう採れれんのやから、とにかく。何十年前の10分の1も、ない。」とにかく、もう、とれんのやから。ひどいのは、ここ3〜4年。1週間潜ったら、(次は)どこ潜ろうか。」25M-DSC_0558
海藻はあまりない。むき出しになった岩の下などに張り付いているウニや鮑を探る。26M-DSC_0650
結構置くまで手(腕)を突っ込む。素潜りなので外れなくなったら、怖い……。27M-DSC_0533
そこに海があるから海にもぐる。魚がいるから、魚を突く。貝があるから、貝を捕る。ここの人たちと触れ合うと、シンプルにそう思う。なんか沖縄と共通する「海」を感じたのは、そういうところかもしれない。海に潜りながら、そんなことを思った。28M-DSC_7900
「あ〜気持ちわる」そう言って船に上がってきた海女は、採りたてのウニを剥いてくれた。甘くて美味しい! でも、海はしけて船は揺れ、長い時間戦場にいると私も気分が悪くなりそう。山口県の海がしけ続きで、ずっと入れなかったので、急遽移動して、海に出れただけでもラッキーなのだが……。29M-DSC_8039
「こんな休んだ(海女漁がない)っちゅうことは、なかった。(自然が)狂っちょる。昨日まで休んじょる。3、4日は、ここのわっしょい(祭り)でしょ。わっしょいの時には、漁どめや。(漁師はお休み)100万都市のまつりやけん。小倉からも臨時(のフェリー)が出るから(若い子らはみんな遊びにいくよ)。」30M-DSC_7667
小倉からフェリーで37分。こんな近い島に、こんなにもゆったり時が流れる島があった。行ってみないと、わからないことだらけ。(ふにゃ〜)写真の右下にある[i]マークをクリックすると説明を読むことができます。