私の実家は特定の信仰を持っていなかったので、
神仏について深く考えることもなく生きてきました。
でも、当たり前のものとして、
海や自然、地球上にあるすべてのモノ、
そして自分の中にも神があると信じているし、
仏様やご先祖様が天(?)にいることも感じています。
「板子一枚下は地獄」という環境で
仕事をしている海人や海女さんなど、
海に生きる人は信仰深いので、お盆や正月は海に入りません。
盆の入りから、毎日、同じ場所、同じ時間に
念仏を唱える女性たちがいます。
「念仏ばあさん」と呼ばれる、
ある一定の年齢に達した女性たち(職業ではない)です。
地域によって、盆の時期もやり方も異なりますが、
その時に、海に入るとよくないことがあるなど、
お盆は、海女さんであっても海に入りません。
祖先崇拝するこの時期は、漁をお休みしても、
海女さんたちのやることはたくさんあります。
海女漁がお休みなので、
私も少しだけ撮影を休んで実家に戻っています。
「祈り」とは何か?
「生きる」とは?
「潜る」とは?
海女さんを通して、新たに気づかされることも多く、
知ることで、解けそうな謎もたくさんあるような気がします。
撮影/2011年8月、三重県鳥羽市の集落にて