この企画について

日本列島+α 海女の元気を探る旅
 〜受け継がれてきた海女文化・元気のおすそわけ〜

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 はじめまして。海人写真家の古谷千佳子と申します。

 海人とは、沖縄の漁師のことですが、今、私は「海女」の撮影に写真家としての全力を尽くしております。NHKの朝ドラ「あまちゃん」の放映で海女への関心が高まっていますが、私が追う「海女さん」は、海を中心とし、海辺で生きるベテラン海女とその後継者たちです。
 海女さんは、素潜りで海の幸を捕ることを生業としている女性の漁師さんです。世界中で日本と韓国(済州島)にしかいない貴重な存在である彼女たちは、育児や畑仕事、場所によっては観光業など、その他の仕事もこなすパワフルウーマンです。
 海辺の景観がその地の仕事や暮らしを作るので、海女の仕事も場所によって様々です。異なる海辺の環境を「海女の世界」を通して見直したい! 海女さんの笑い声が聞こえる豊かな海を後世につないでいきたい! そう思い、現役の海女さんの仕事や暮らしを記録するプロジェクト始めました。

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 当プロジェクトは、2011年にスタートしましたが、海女の漁期は短く、時期が重なるなどの理由で、まだ時間かかかってしまいそうです。2015年を最終目標に各地を訪れる予定ですが、2013年夏からは、新たな試みとして「クラウドファンディング」というインターネットのサポーター制度を活用して、このプロジェクトの支援を募らせていただいております。

 2013年7月から9月にかけて「RAEDYFOR?」で募集させていただいたプロジェクトは、無事に達成することができました。おかげさまで、7月〜9月末まで、長崎県(壱岐島)、山口県、福岡県、石川県、三重県の5地域の取材を行なうことができました。ご支援、ご協力下さいましたみなさま、本当にありがとうございました。2014年の海女撮影は、サポーターのページに掲載しておりますので、お時間のあるときにご覧ください。

海人写真家・古谷千佳子が、今度は日本各地の海女さんを撮影!-READYFOR?

 

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私の「海女さん」との出会い

 約20年前に「海人」に魅せられた私は、沖縄で「素潜り漁」の漁師になりました。けれども、この素晴らしさを多くの人に伝えたいと思い、写真を勉強して写真家になりました。沖縄の海辺といっても、島ごと、村ごとに仕事も暮らしも言葉づかいも、もちろん文化や人の気質までも違うことを撮影を通して知りました。
 沖縄の海人の撮影を16年続けているうち、5年前に妊婦となり、それでも水中取材を続けていました。沖縄の海人やオバァたちから「危ない」と心配されたときに「そういえば、海女さんはどうしていたんだろうか?」と不思議に思い、日本一海女さんが多い志摩半島へ向かいました。

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 海女小屋では「子どもを産む直前まで、海に潜っていた」と励ましていただき、沖縄に戻ったその後も、大きなお腹で、素潜りで撮影を続けていましたが、「海女さんを撮影したい」という思いは募るばかりでした。働きながら、育児も行う海女さんに対して、尊敬と憧れを抱きながら「これは私のライフワークになる」と直感しました。

妊婦で潜る

 今は息子と二人旅で漁村を訪れたり、ときには出稼ぎ海女のように、子守りを頼み、単身で乗り込むこともありますが、息子と二人三脚で取材活動を進めております。

海女さんという仕事とコミュニティ

 海女さんの仕事場は、自分たちが暮らす集落の目の前にある漁場です。その海で獲物を潜り続けるためには、資源がなくならないように、海を休ませたり、小さなアワビは採らないなどの約束事を決めて守らなければなりません。それは、地球という星に生きる私たちがこれからどのように生きるべきかを、凝縮して見せてくれる世界です。
 また、海女さんは、海に潜り獲物をとるのが仕事ですが、それ以外の様々な仕事を持っていて、スタイルも色々あります。漁業のまちで、男性の多くが一年じゅう漁に出ているので、女性が子どもを育てながら家を守っている。お母さんは父親の役目を担い、育児のほかに畑仕事やサービス業などを行ない、多数の年間行事もたくましくこなしています。

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 母一人、子どもを連れて県外(ときに海外)への出稼ぎ経験のある大勢の海女のおばあちゃんともお会いしてきました。
 人や自然の「命」と関わる様々な仕事(横軸)と、ご先祖様と次世代の子どもたち(縦軸)と、綿密な繋がりの中で海女さんは生きています。分け合うこと、協力し合うこと、命を受け継いで繋いでいくこと。目の前の生き物を採り、食べること。
 今の時代に失われ、求められている「繋がり」は、昔からある暮らしと仕事の中にあります。それは、様々な「原点」であり、都会の人にも田舎の人にも、明日への活力へと変えていける「力」となることを信じています。

みなさんと一緒に作り上げるプロジェクト

 私のフィールドは、海辺・海中という、潮の満引きや月の満ち欠け、透明度など海況に影響された自然と、漁村集落や一家の要である海女さんという、縦横無尽の繋がりの中で生きる人々との関係の中にあります。
 そのため、信頼関係を得るために、ときにはシャッターを切らずに、何度もその地を訪れる必要もあり、度重なる変更も当たり前にあります。
 また、観光でなく漁業を中心に行なっている海女さんにとっては、取材が入ることで直接的なプラスは何もありません。仕事の邪魔にならないように、相手に無理をかけず取材を行なうために、私自身「素潜り」で撮影をし相手に「ストップ」をかけることは決して行ないません。そのため、短期取材は非常に難しく、時間がどうしても必要になります。
 日本全国に約2000人いる海女さんは18県に点在していますが、北海道に1人、鹿児島に3人、和歌山に5人と従事者が非常に少なく高齢化も進んでいる地域など、取材を急がねばならない地域もあります。
 各地の海女文化を記録するという意味でも、一人の女性の生き方を取材する、という視点と、両方の目を持ちあわせて、場所によっては、何度も訪れる集落も出てくると思います。

 全国海女撮影は、2013年は岩手県、済州島、三重県の取材を終えることができました。2014年の海女撮影は、サポーターのページに掲載しておりますので、お時間のあるときにご覧ください。全国海女撮影にかかる経費などのご支援金の募集、及び海女撮影に関わる現地での協力者(ホームステイ、移動の協力、子どもの預け先など)も募っております。少しでもお手伝いしていただけることがあったら、ぜひ声をかけてください。


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