長崎県壱岐市 2013 iki2013-01飛行機から見下ろす海を見ては「あそこはウニが居そう……」「壱岐の海のほうがキレイ!」彼女たちのの会話には「海」という言葉が続いている。二人は、壱岐島の海女だという。 iki2013-02ん。丸い穴が胸掛の中にあいているので「腹ほげ地蔵」と呼ばれている彼らは、潮が満ちてくると海に浸かって気持ちよさそうでした。「(海へ)行ってきます。」 iki2013-03「アイシャドウとアイラインも塗る〜?」「わはははは〜」身支度を終え、最後に道具のチェック。老眼鏡付き磯眼鏡。 iki2013-04「沖縄のガム(耳栓に)使ってんのや〜」水圧から鼓膜を守るために、ガムを詰めていると聞きました。 iki2013-05船長曰く「ここの人(この船に乗る海女)はお話好きなので、(海に入るまでが)長いよ。普通は1時間もしたら海に入るけど……」海女たちを沖へ運びつつ、彼女たちの海のホームベースとなるこの船は、まるで家船のよう。 iki2013-06「しやせよ〜(しあせよまんよ〜)」船から海に飛び降りる(潜る)直前に、ぽそっと聞こえた一声。「今日も漁がありますように」と、大漁祈願の祈りの言葉。波風立たないで、自分の体に災いが及ばんようにと「ナミカゼトランゴト」と言って潜っていた海女もいた。 iki2013-07「潜ってアワビを見つけるやろ。(1回の潜水で)採りきらんとき、これをね、カジメ(海藻の一種)とかにつけてくるわけ。」 iki2013-08「返したら、すぐ採らんと(タイにウニを)食べられる。」 iki2013-09「ここ(八幡町)はタイはめでたい魚だから、突いたらあかん。」 iki2013-10「赤ウニさっと採らんと。タイが海女(漁)始まるとよってくるタイ。手ば噛む。こっちが怖いよ〜。ポンと頭叩くたい。」 iki2013-11「ウニカギ持って一直線」 iki2013-12「アワビ、サザエ、アカウニ、トコブシ。」 iki2013-13「(壱岐島の)他の所は、ほとんど海士(あまし=男性の海女)。唯一この集落だけがウエットスーツを着ていないと。ウエットスーツを着ると、いつまでも泳げるから品物がいなくなっちゃうのね。海女さんも(ここは)多いから。」 iki2013-14「アワビもサザエも海藻を食べるけんね。ウニも海藻をものすごく食べる。」海藻が繁茂していなければ、実入りもよく、きれいなウニは期待できない。「品物(海の幸)が採れんと、海女になる人も自ずと少なくなる……」 iki2013-15「今は藻場が少なくなってね。前はもう水面から見たら、海藻だらけで、全然海底が見えない状態だったよ。品物も見えんけん。海藻を掻き分けて採りよった。」 iki2013-16 iki2013-17 iki2013-18だんだん身ごもってきた!? 「(桶から)離れて泳ぐけんね。(だからレオタードと水着の間に採ったものを入れていくのよ。)」摂れば採るほど、お腹がどんどん膨れてくる。 iki2013-19水面顔出し、ウニ。「産卵期に入ってる(ムラサキ)ウニはストップ。これは、アカウニ!」 iki2013-20生涯現役、定年なしの仕事を続ける海女さんたちに聞いてみた。「出産の時はどうするんですか?」「予定日決まっちょったから、(漁期である)5ヶ月(間)にうまく調整したよ。」 iki2013-21「海水に浸かって肌がハチハチすると。化粧水つけて、日焼け止め塗って、ファンデーション塗って。そうすると海水にもあたらんし、色もちょっと黒ならんと。」一潜りするごとに、身体を乾かしお化粧直しして、心と体の調子を整えてから海に挑む。 iki2013-22目の前の海は、おかず(品物)が採れる貴重な海。 iki2013-23「レオタードで潜る前は、男物のシャツやパッチ、ブルマーを履いて潜っていたよ。」今は、重ね着の上にレオタードをつけて潜っている。白磯着の歴史があったとは聞いたことがない。けれどこのシャッター画。「海女」のイメージ、ってとこでしょうか? iki2013-24海女とカチ(陸人)。「私達は、海女ではない」海に潜って品物を採る人であっても、沖から海に入る(深い海を潜る)人を「海女」と地元では呼んでいた。 iki2013-25「背中が暑い……」夏の浅瀬の海の水温は高く、真上から降り注ぐ真夏の太陽が、黒いウエットスーツを容赦なく焦がす。冷却しようにも、海底がすぐそこなので、潜ることが出来ない。陸から磯入りは、海女の海と違ったキツさがあるのだった。 iki2013-26潮が満ちても(水深は)これくらい。 iki2013-27自分でリアカーを引っ張って、海岸から海へ行くカチ。沖には舟が浮かんでいる。「1つの船に3人のところもあれば、5人海女が乗っているところもある。海女は沖から泳ぎこむのよ。」海はつながっていても、境界はそこにあったのだ。 iki2013-28海から帰ってきてから、ウニの中身を書き出す作業をする。一人ではとうてい無理だから、掻き出ししてくれる人を4〜5人雇うの。息子夫婦とか、姉弟やイトコとか。2〜3時間位はかかるとよ。 iki2013-29バフン(ウニ)專門で採るカチ海女。 iki2013-30玄界灘のウニ。 iki2013-31「昔は保育所無いから、子守賃2千円払ってみてもらう。オバァちゃんに預けたり。結婚したら、出稼ぎはいかん。」昔ナンバー1の海女さんより。 写真の右下にある[i]マークをクリックすると説明を読むことができます。 2014/01/10 by chica Posted in iki2013 and tagged with . RSS 2.0 feed.